基本方針
人口減少や少子高齢化が急速に進み、地域の過疎化による担い手不足やつながりが希薄化すると同時に、社会的孤立の問題、生活困窮、ひきこもりや8050問題、ヤングケアラーなど複雑化・複合的な問題が増えています。
このような現状を踏まえ、すべての人が人として尊厳をもって、住み慣れた地域で安心して、その人らしい自立した生活を営むことができるように、人と人、人と社会がつながり、支え合っていく「共に生きる社会づくり」が求められており、本協議会の役割も大きくなってきています。
本協議会では、地域共生社会の実現に向け、生活困窮者自立支援事業や地域包括ケアシステムなどと重層的に連動することにより、諸課題に対応するための包括的支援体制づくりを、行政や関係機関と連携して進めます。
また、地域福祉を推進する民間団体として、地域の良さを活かしながら、地域の課題解決に向けて、住民に寄り添った支援、お互いに支え合える地域づくりの推進に取り組みます。
本年度は、「おたがいを おもいやり たのしく わらってくらせるまち大田原」を基本理念として策定した「第4次地域福祉活動計画」の実現に向け、更なる地域福祉の推進に取り組みます。また、各地区社会福祉協議会が「第1次小地域福祉活動計画」で定めた目指す地域像の実現に向けた地域課題解決の取り組みを支援するとともに、各地域の特性を活かした「第2次小地域福祉活動計画」の策定に向けた取り組みを支援します。
また、様々な生活課題を抱え支援を必要とする生活困窮者等の、複合・複雑化した支援ニーズに対応するため「断らない相談支援」「継続的な相談支援」を進めます。
介護保険事業及び障害福祉サービスについては、他事業所が参入しにくい中山間地域へのサービス提供を継続し、住み慣れた地域で生活できるよう支援を進めていきます。
事業実施体系
- 地域福祉の推進・発展のための人づくり、生きがいのある地域づくり事業
- 地域福祉活動計画の推進
- 小地域福祉活動
- 生活支援体制整備事業(愛称:ささえ愛おおたわら助け合い事業)
- ボランティア活動の振興
- 福祉教育(ふくし共育)推進事業
- 社会福祉法人の地域貢献活動支援
- 福祉活動顕彰事業
- 福祉サービスを利用しやすくするための支援事業
- 重層的支援体制整備事業への移行準備事業
- 総合相談事業の実施
- 生活困窮者自立支援事業
- 権利擁護事業
- 在宅福祉サービス実施事業~民間事業者の参入しにくい地域への展開~
- 介護保険サービス事業
- 障害福祉サービス事業
- その他のサービス事業
- 法人の基盤強化事業
- 福祉のまちづくり市民参加運営事業
- 基金・寄付事業
- 栃木県共同募金会大田原市支会
- その他
重点事業
- 地域福祉活動計画の推進
- 小地域福祉活動計画の策定・推進
- 生活困窮者自立支援事業の充実
- 介護事業及び障害福祉サービス事業のサービス向上
令和6年度事業内容
地域福祉の推進・発展のための人づくり、生きがいづくり、地域づくり事業
地域福祉活動計画の推進
第4次大田原市地域福祉計画・地域福祉活動計画推進事業
第4次大田原市地域福祉計画・地域福祉活動計画(実施期間:令和6年度~令和10年度)を推進します。
- 市と協働による計画の推進及び周知
- 推進委員会の開催
- 活動紹介(社協だより等での広報)
- 小地域福祉活動計画との連携
小地域福祉活動の推進
地区社会福祉協議会活動支援事業
市内全12地区社協が、地域のニーズに合った地域住民が主役の地域福祉活動を推進できるよう、より一層の支援をしていきます。また、ひとり暮らし高齢者等の安否確認を目的としたふれあい型食事サービスを支援していきます。
- 各地区社会福祉協議会の活動支援
- 地区社協連絡会議の開催
- 第1次小地域福祉活動計画の推進支援
- 第2次小地域福祉活動計画の策定支援
- 地区社協活動費助成、食事サービス活動費助成
- 地区見守り組織、第2層協議体との一体化の推進
- 研修バス利用の支援
福祉委員(小地域福祉活動ネットワーク)活動推進事業
見守り活動の先駆けとなった福祉委員が、自治会長・民生委員児童委員・地区社協・見守り組織等と連携し、自治会内のささえあい活動の推進役として活動できるよう支援していきます。
- 福祉委員研修会の開催
- ささえあいネット通信による情報提供
- 自治会ささえあいの見える化推進
生活支援体制整備事業(愛称:ささえ愛おおたわら助け合い事業)
生活支援体制整備事業
市からの受託事業である「ささえ愛おおたわら助け合い事業(生活支援体制整備事業)は、介護予防と生活支援を中心とした、支え合いの地域づくりをねらいとし、安心生活見守り事業の12地区担当主任が生活支援コーディネーターを兼務し、それぞれの地区に設置した第2層協議体※1を推進します。
協議体では、地域の問題把握、社会資源等を含めた情報共有を図り、地域の良さを活かした住民が主役の支え合いの地域づくりを進めていきます。
- 生活支援コーディネーター研修、情報交換会
- 担い手養成講座の開催
- 地域での事例検討会の実施
- 第2層協議体の支援
- 第1層協議体との連携
- 市、地域包括支援センター、関係機関との連携
- 社協ボランティアセンター事業との連携
※1第2層協議体:市内12の地域ごとに設置し、地域の支え合い、助け合いのことを考える、話し合いの場
安心生活見守り事業
市からの受託事業である「安心生活見守り事業」を継続実施します。地域ぐるみの見守りと生活支援、見守りを通した地域づくりをねらいに、12の各地区社会福祉協議会を見守り組織のエリアとして、住民による見守り活動を支援します。
- 主任・隊員研修の実施、支援
- 隊長会議、チーム会議等の開催
- 救急医療情報キット申請受付、代行申請
- 市、地域包括支援センター、関係機関との連携
ボランティア活動の振興
ボランティアセンター推進事業
市(政策推進課、生涯学習課)、市ボランティア連絡協議会や国際医療福祉大学等と連携し、ボランティア活動の相談、各種事業の開催等、市民の地域福祉活動の参加を支援します。
- ボランティアに関する相談対応
- ボランティアコーディネート機能の強化(ボランティア活動を必要としている人としたい人の橋渡し)
- ボランティア情報の発信(社協だより内「だいすき」、ホームページ等)
- 中高生向け講座の開催
- ボランティア講座の開催
- ボランティアサロンの開設
- 生活支援体制整備事業との連携
災害にも強い地域づくり推進事業
災害時における市社協の役割を果たすため、平時から市やボランティア団体等と連携しながら事業を進めます。
- 「社協職員災害時行動の手引き」「事業継続計画(BCP※2)」を基本とする、災害発生時の初動の確認、災害発生に備える平時の行動
- 災害ボランティアセンター連絡会の開催
- 災害ボランティア講座の開催
- 避難行動要支援者に対する支援のあり方の検討
- 社協職員研修
- 被災地社協への職員派遣
- 減災意識の向上
※2BCP:(Business Continuity Plan)災害、事故が発生したときに備えて、事業継続の視点から、事前に復旧や対応策を考えておく計画のこと。
福祉教育(ふくし共育)推進事業
福祉教育(ふくし共育)推進事業
大人も子どももふだんのくらしのしあわせのため、「地域でともに生きる力を育むこと」を目的とした事業を行います。令和4年度に改訂した福祉教育副読本「ともに生きる」を市内の小学1年生・4年生及び中学1年生に配布し、さらに小学校・中学校・高等学校での福祉教育の取り組みと地域福祉活動をつなげる支援を進めます。
- 地域住民に対する福祉教育の実施
- 学校と地域がつながるふくし共育の支援
- ふくし共育(福祉教育)研修会の開催
- 新たな地域の協力者(障がい当事者)の発掘、育成
- ふくし共育ボランティア「グループささえ」の支援
広報充実事業
機関紙やホームページ、SNSを通じ、本会の事業について、地区社協やボランティア団体等の地域の福祉活動紹介や地域福祉活動計画の推進について周知し、地域福祉活動の情報提供と理解促進を図ります。
- 「社協だより」「こども社協だより」の発行
- ホームページの運営
- 社協を知ってもらう活動の強化
社会福祉士養成課程実習生の受入れ
大学や専門学校から社会福祉士養成課程における相談援助実習等の実習生を受け入れ、各部署において、社会福祉士として必要な知識及び援助技術を取得するための実習指導を行います。
社会福祉法人の地域貢献活動支援
社会福祉法人連絡会の活動支援
市内で活動を行う社会福祉法人が連携・協働して、地域貢献、公益活動に取り組むため、法人のネットワーク化を進めます。
福祉活動顕彰事業
大田原市社会福祉協議会会長表彰
地域社会において、地域福祉の推進活動を行っている団体、個人の功績をたたえ、表彰します。また、地域福祉活動に協力援助した団体に感謝の意を表し、社協活動の進展に資することを目的とします。
福祉サービスを利用しやすくするための支援事業
重層的支援体制整備事業への移行準備事業
重層的支援体制整備事業への移行準備事業※3(新規事業)
地域共生社会実現の一環として、市からの受託事業である「重層的支援体制整備事業への移行支援事業」を実施します。市全体の支援機関・地域の関係者が断らず受け止め、つながり続ける支援体制の構築を目指します。
- 包括的相談支援事業
属性や世代を問わず包括的に相談を受け止め、支援機関のネットワークで対応します。 - 参加支援事業
社会とのつながりをつくるための支援をします。 - 地域づくり事業
地域とのつながりをつくるため、世代や属性を越えて交流できる場などを整備します。 - アウトリーチ等を通じた継続的支援事業
支援が必要であるのに届いていない人に支援が届くように、訪問し継続的な支援を行います。 - 他機関協働事業
市全体で支援機関の役割分担と共通理解を図り、包括的な相談支援体制を構築します。
※3市町村において、既存の相談支援等の取組を活かしつつ、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、Ⅰ相談支援、Ⅱ参加支援、Ⅲ地域づくりに向けた支援を一体的に実施する事業
総合相談事業の実施
心配ごと相談事業
市からの受託事業である「心配ごと相談事業」を実施します。民生委員児童委員の中から相談員をお願いし、住民の日常生活等における困りごとの相談を受けます。
- 大田原地区:毎週金曜日、午前9時~12時
- 湯津上地区:毎月第1水曜日、午後1時~3時
- 黒羽地区:毎月第3木曜日、午前10時~12時
※専門機関での相談が必要な時は紹介し繋ぎます。
福祉金庫貸付事業
「大田原市福祉金庫」(善意銀行預託金)による貸付と相談援助により、低所得層の経済的自立と生活意欲の向上に向けた支援をします。
- 相談窓口、貸付申請の受付
- 延滞者に対する督促通知、電話や訪問による償還指導
- 生活困窮者自立支援事業と連携しての継続支援
- フードバンク活動、行政関係機関との連携
生活福祉資金貸付事業
県社会福祉協議会からの受託事業である「生活福祉資金貸付事業」による貸付受付と相談援助により、低所得層の経済的自立と生活意欲の向上に努めます。
- 相談窓口の充実と制度の周知
- 貸付申請の受付
- 電話や訪問による償還指導
- 生活困窮者自立支援事業との連携
- 行政との適切な情報共有と制度の周知及びハローワーク等との連携
- コロナ特例貸付(緊急小口・総合支援資金)の償還指導と償還猶予等に関する相談・申請受付
生活困窮者自立支援事業
生活困窮者自立支援事業
市からの受託事業である「生活困窮者自立支援事業」のうち「自立相談支援事業」を実施します。市、関係機関・団体と連携しながら生活に困窮している方の相談に応じながら問題解決のために支援を行います。
- 総合相談窓口の開設
- 社協内で個別支援と地域支援が連携し検討
- 支援調整会議等によるケース検討
- 福祉金庫、生活福祉資金貸付事業との連携
- 行政、ハローワークとの連携
- 必要な社会資源の開発
- ・就労の場の開拓(就労を支援する事業者の募集)
- ・家計相談支援事業受託の準備
- コロナ特例貸付(緊急小口・総合支援資金)借入後の生活にかかるフォローアップ
- フードバンク対応
- 住居確保給付金相談・申請受付
権利擁護事業
日常生活自立支援事業(あすてらす)
県社会福祉協議会からの受託事業である「日常生活自立支援事業(あすてらす)」を実施します。軽度の認知症の高齢者や障がいのある方など、判断能力の不十分な方に対する権利擁護を目的に、あすてらすおおたわらとして実施します。
- 制度の周知
- 相談援助、調査、支援計画の作成
- 生活支援員による援助
- 福祉サービス利用援助、日常的金銭管理サービス、預かりサービスの支援
- 関係機関との連携強化
- 預かり物及び事務手続き上の管理体制の徹底
法人後見事業※4(新規事業)
成年後見制度に基づき、家庭裁判所の選任による成年後見(補助、保佐)人に、大田原市社会福祉協議会が法人として就任し、市内の認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が不十分なため意思決定が困難な方の財産管理及び身上保護などを行う「法人後見事業」を行います。
- 法人後見運営委員会の開催
- 法人後見ケース検討会の開催
- 成年後見制度に関する情報の収集
※4法人後見とは、社会福祉法人や社団法人、NPOなどの法人が成年後見人、保佐人もしくは補助人(以下、「成年後見人等」といいます。)になり、ご親族等が個人で成年後見人等に就任した場合と同様に、判断能力が不十分な人の保護・支援を行うこと
在宅福祉サービス実施事業~民間事業者の参入しにくい地域への展開~
介護保険サービス
訪問介護事業
介護保険法に基づく指定事業所として、訪問介護事業及び大田原市が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービス事業を行い、利用者のニーズに沿った適切な訪問介護サービスを提供し、特に黒羽・湯津上地区を重点とした在宅介護の充実に努めます。
市からの受託事業として、「生活支援ホームヘルプサービス事業」「養育支援ヘルパー派遣事業」を行います。
障害福祉サービス
障害福祉サービス事業
障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく指定事業所として、障害福祉サービス事業(居宅介護、重度訪問介護、同行援護)と地域生活支援事業(移動支援)を行い、個々のニーズに沿ったサービスを提供し、在宅介護の充実に努めます。
その他のサービス
日常生活用具貸与事業
虚弱または身体に障がいのある市内在住者で、介護保険法による福祉用具貸与の対象になっていない方に、車いすを無料で貸し出し日常生活の自立と介護者の負担軽減を図ります。
リフト付き自動車貸出事業
車いすを使用しているために公共交通機関の利用が困難な市内在住者に対して、車いす用リフト付き自動車を無料で貸し出し、在宅福祉の向上を図ります。
軽トラック貸出事業
ボランティア活動、生活困窮者支援、その他地域福祉活動をする団体、個人に、物資輸送の援助として軽トラックの貸し出しを行います。
福祉サービス適性化事業
市社協が提供する福祉サービスの苦情を適切に解決するため、第三者委員会を設置し、福祉サービスに対する利用者の満足度を高め、利用者個人の権利擁護とサービス提供者としての信頼及び適正確保を図ります。
法人の基盤強化事業
福祉のまちづくり市民参加運営事業
理事会、評議員会の開催
本会の業務の決定機関として、理事会、評議員会を開催します。市民の代表としての理事と評議員を選出し、地域の声を社会福祉協議会の活動に反映させます。
会員加入の促進
社協の事業への理解と協力を促進し、普通会員、特別会員、賛助会員への加入の呼びかけをします。また、本会の事業や会費の使途を広く周知し、未加入世帯や事業所などに対して新規加入を推進します。
基金・寄付事業
善意銀行運営事業
地域福祉推進のために寄せられる善意の輪を広げ、ボランティア活動の推進等に活かすため、その適切な管理運営に努め、善意の志に沿った配分を行います。
地域福祉基金造成事業
地域福祉の増進を目的に設置された地域福祉基金(ぎんなん基金)のさらなる造成推進を図り有効な活用を行います。
- 地域福祉推進事業への活用
栃木県共同募金会大田原市支会
赤い羽根共同募金事業
社会福祉法人栃木県共同募金会大田原市支会として、住民やボランティア団体、各事業所等の理解と支援を得ながら募金運動の推進に努め、適切な配分をし、地域福祉の向上を図ります。
- 地域の資金ニーズの把握
- 募金活動の再検討と推進
- 配分事業の検討
その他
佐良土多目的交流センターの管理
佐良土多目的センターの研修室、調理室、和室の貸館業務、利用料の徴収を行います。
複写機利用サービス事業
地域福祉活動団体やボランティア団体等に、複写機利用サービスを提供し活動の促進を図ります。